実務家FPカンファレンスの後日談
2012.02.23(Thu)
学資保険について
2012.02.15(Wed)
1.死亡保障が必要ない
学資保険とは、生存保険と死亡保険の2種類を組み合わせた仕組みの保険である。しかし4章で学んだように、本来必要である死亡保障は子供が誕生した際に計算して掛け捨ての定期保険でカバーするのが最善である。
したがって「学資保険」に付随している死亡保障は本来必要のないものである。新しく保険でカバーする必要が無いのだから学資保険は必要が無い。
2.「返戻率」という数字
学資保険の説明を受ける際に「返戻率」(支払保険金の額÷保険料払い込み総額)が高いとか低いという視点で話をする営業も多い。
「返戻率」という数字そのものは、時間の概念が入っていないためにファイナンスの視点からは、ほとんど意味がなく実質的な運用の利回りもわからない。
「返戻率」という説明を受けた場合には
「それで、実質的な投資としての利回りは何パーセントになるんですか?」
と尋ねてみよう。
おそらく保険販売担当者でそれに対する回答がきちんとできるものはいないであろう。
実際には運用商品としての利回りは「国債」の利回りを超えるものでも無いために、自分で国債を積立していく方がはるかに効率的である。
例えばA社の学資保険の例を考えてみよう。
契約者(親)30歳
被保険者(子供)0歳
【受取保険金】
高校入学時(子供15歳)50万円
大学入学時(子供18歳)100万円
大学2年時(子供19歳)50万円
大学3年時(子供20歳)50万円
大学4年時(子供21歳)50万円
【保険料】
0歳~18歳で終了 月額12,470円 18年間の総額 2,693,520円(返戻率111.3%)
0歳~10歳で終了 月額20,870円 10年間の総額 2,504,400円(返戻率119.7%)
という条件で考えてみよう。
死亡保障については考えから除いて運用利回りだけ計算してみると、18歳まで支払うケースでは利回りは1.07%、10歳まで支払うケースでは1.30%となっている。
現在の銀行預金の金利水準から考えてみると高いようにも見えるが、保険商品では21年間この金利が固定されてしまう。
日本の20年国債の金利は1.76%である。(2月13日現在)もしも、このまま金利が変わらないとすれば国債を保有していた方が利回りは良いという判断ができる。
たとえば何年か後に普通に銀行の金利が3%になったとしても、この保険で運用されているお金は1%台でしか運用されないという事である。定期預金であれば解約することもできるが保険の場合には解約時のペナルティも少なくない。
そのような運用商品としての「固定金利のリスク」は、購入側の認識もほとんどないものであるし、販売者側も元本ロスになる解約のリスクは説明しても、金利リスクについてはあえて主張はしないリスクである。(そもそも販売時に必要な説明対象となっていない)
3.運用能力(スキル)が身につかない
前項目とつながるが我々の今後の人生の中で欠かすことができない能力(スキル)の一つが「資産運用」能力である。
「資産運用」能力を身に着けるためには正しい知識の習得と、実践する経験が必要である。
正しい知識は本やセミナーで「勉強」することはできるが、残念ながら実戦での経験は資産運用を通じて身につけて行くしかない。
銀行への預金や保険商品の利用は、こうした「資産運用」スキルを身に着けることを放棄しているに等しい。資産運用については弊社のホームページで詳しく述べているが「預金」や「保険」の利用だけで経験を放棄してしまっては、これからの生活を維持していくのは難しいだろうと思っている。
FPカンファレンスの終了
2012.02.11(Sat)





